スタディサプリと進研ゼミの併用はどうなのか?
スタディサプリと進研ゼミ「チャレンジ」はどちらも家庭で学習する教材です。
この2つは似ているようでちょっと違うので、2つ一緒にやったとしたらもっと効果があるのでは?と考える方もいるかもしれません。
また、2つの教材の違いは何かについてまとめました。
目次
スタディサプリと進研ゼミの併用はメリットがある?
基本は「なし」
個人的な意見ですが、私はスタディサプリと進研ゼミの併用は「ない」と思います。
2つとも学習塾に比べると安価なので、両方やることは経済的にはあまり大変でないかと思います。
ですが、大変なものがあります。
それは、お子さんの「時間」です。
2つの教材をやるということは、2つ分の時間を使うということです。
塾へ通っているお子さんよりも通学時間などが短縮できて、ちゃんと睡眠時間や休養の時間、習い事の時間などを確保できるのが自宅学習の良いところです。
2つの教材を同時に平行したら、お子さんのその時間は無くなってしまうかもしれません。
そして、「ダブルだったらいいことあるでしょう」というのとは少し違うのです。
2つの教材は似ていますがアプローチが若干違う部分があるので、お子さんによっては混乱するかもしれません。
なので、こう使おうというビジョンがないまま2つを同時に使ってしまうとしたら、それは時間もお金ももったいないことになってしまうのです。
どちらかを補助に使うなら、「あり」
この2つの教材は違うために、どちらかをメインに据えて、補助的にわからないことがあった時だけもう一方を使う使い方は「あり」です。
例えば、質問ができる進研ゼミをメインにして、わかりにくいところ、紙ベースのテキストではわからないところをスタディサプリで保管する。
あるいは、スタディサプリで学んだことを、進研ゼミの添削問題で力試しをする。
そのような使い方なら上手にお互いの特徴を生かしつつ学習を深めることができます。
ですが、このやり方はお子さん一人では到底できるものではありません。
学習のペースメーカーとなってくれる保護者が必要です。
ですから、用途に応じてどちらかを使い分けていく方法はどちらかというと上級者向けです。
2つの教材の違いをもっと詳しく見てみましょう。
学習教材は、あくまでお子さんのレベルと用途、性格などに合わせて選ぶものです。
スタディサプリと進研ゼミの比較
教科書対応
スタディサプリは国語・数学・英語の3教科が教科書別の対応になっています。
進研ゼミは国語と英語のみが教科書対応で、数学は7つの主要な教科書を合わせた内容になっています。
理科と社会はどちらも特定の教科書に対応する形ではなく、その分野に応じて総合的に複数の教科書の内容を網羅する形式になっています。
理科と社会には、教科書によって大きな違いはありません。
数学は進研ゼミの定めた7つの教科書以外のものには対応していないため、7つ以外の教科書の場合は進度がずれる心配があります。
速度
これは大きな違いがあります。
進研ゼミは毎月送られてくる形式のため、学習進度カリキュラムに沿った形で教材が送られてきます。
なので、何らかの事情で授業が遅れた場合、学校で教わっていないことでも毎日の学習課題をこなさなくてはなりません。
先取り学習になるととらえればよいのですが、学校によってクラスによって進度はさまざまです。
お子さんが先取り学習が苦痛にならないタイプだった場合は問題ないと思います。
逆に、進度の早い私立中学等の場合は、進研ゼミは完全に復習になってしまうことがあります。
私立中学、特に中高一貫校の場合には中学3年生のうちに高校1年生の内容に入ってしまうことが珍しくありません。
その場合、進研ゼミは決められたカリキュラムよりも先に進むことができないので、復習のみに使うことになります。
スタディサプリは無学年制度です。
小学校4年生であっても高校3年生の授業を視聴することができますし、高校3年生であっても小学校4年生の内容から復讐することができます。
小学校4年生から高校3年生の授業がどれでも見られるので、必要に応じて先取りにも復習にも使えるということがスタディサプリの特徴です。
これについて、面白いエピソードがあります。
高校生になると、1年生の秋には進路選択をある程度決定しなければなりません(高校によって差があります)。
当然それに応じて選択する科目も変わってきます。
文系を選択すると世界史・地理・日本史(学校によっては現代社会・倫理)の中から2科目を選択します。理系を選択すると物理・化学・生物・地学の中から2科目を選択します。
どの科目がいいかと聞かれた場合、行きたい大学の行きたい学部が決まっているお子さんは悩まなくてすみます。
ですが、決まっていないお子さんは「面白そうなものがいい」「興味が持てそうなものがいい」と考えることが多いのです。
その場合、スタディサプリの場合はスタディサプリの先の単元を視聴して「興味が持てそうか」「面白いと思えそうか」ということを確かめることができるのです。
新しい科目が始まる前に予習をしておくことも、高校に入る前に高校の内容を、中学に入る前に中学の内容をあらかじめ見ておくことも自由です。
使用端末
スタディサプリはパソコン・タブレット・スマホの3種類をどれでも使用することができます。
新たなものを購入する必要はなく、家にあるものを使って学習することができます。
進研ゼミはオリジナルスタイルとハイブリットスタイルの2種類があります。
オリジナルスタイルは、従来通りのテキスト中心の教材です。
ハイブリットスタイルはテキストとipad、または専用タブレットを使用して学習します。
英検対策
スタディサプリは英検3級から準2級、2級までの対策が可能です。
また、英語の資格という意味ではTOEIC対策ができます。
TOEIC対策は点数に上限がありませんので、自分のレベルに合わせて狙いを定め、学習していくことができます。
こちらの内容は大人でも使っている方がいます。
進研ゼミで英検対策をするためには、進研ゼミに合わせてChallengeEnglishというオプション教材を利用する必要があります。
スタディサプリのTOEIC対策、進研ゼミのChallengeEnglishは別料金での受講となります。
先取り学習
進研ゼミは毎月テキストが送られてくる形(オリジナルスタイル・ハイブリットスタイルともに)なので、先取り学習をしようと思ったら自分で別途参考書等をそろえる必要があります。
スタディサプリは先取り学習には大変適しています。
小学校4年生から高校3年生の内容まで自由に受講することができますので、先取り学習のほうが性に合っているお子さんには適していると思います。
添削
スタディサプリには添削制度はありません。
講義の最後に行う確認問題はweb上で行うため、その部分の丸つけは自動で行われます。
スタディサプリは問題集をダウンロードして印刷することができるので、問題演習もできます。
ですが、この丸つけは自分で行い、間違った部分に関しては自分で解答を読み込んで理解していく必要があります。
スタディサプリの演習問題は、ダウンロードして印刷することのほかに、購入することもできます。1冊1200円です。
進研ゼミは「赤ペン先生」の名前でも知られているように、添削制度があります。
課題を提出すると丸つけだけでなく、詳細なコメントもついて返却されます。
質問
スタディサプリは質問はできません。
わからないことは学校の先生に質問するしかありません。
ですが、対人で質問できるというスキルを意図的に伸ばそうとしている有名中学等もありますので、このこと自体はむしろ良いことなのかもしれません。
スタディサプリの普通コースには質問制度はついていませんが、高校講座には月額9,800円で専任コーチが付いて学習の質問やアドバイスを受けられるプランがあります。
面と向かって人に質問することは、実は高度なスキルが必要です。何がわからないから何を教えてほしいのか、どうしてほしいのかということを整理して説明できるスキルはきっと将来役に立つでしょう。
進研ゼミは、ネット上の質問制度があります。1日24時間受付で、遅くても翌日には返事が来ます。
こちらも、直接対人ではありませんが、わかりやすい文章を書くスキルは磨かれると思います。
記述練習
スタディサプリは記述練習はできません。
テキストには記述問題もありますが、これが正解なのかどうかということは自分か保護者が判断することになります。
進研ゼミは、課題に記述式の問題があります。
それでどのくらい加点されるのかなどは添削指導の際に教えてもらえます。
ですが、大学受験を例にとって考えると、記述問題が出てくるのは国立大学の二次試験及び難関私立大学の試験がほとんどです。
サポート
スタディサプリにサポート制度はありません(専任コーチをつけるプランを除きます)。
進研ゼミは電話とチャットで学習相談等ができる制度があります。
2つの教材の違いを確認したうえで、お子さんに合う教材を選んでください!