小学6年生の勉強方法【中学生に向けて効率の良い勉強法は?】
中学に入って勉強でつまづく子は、小学校の時に勉強の習慣がなかったお子さんがほとんどです。
中学生の生活は忙しく、勉強の習慣がないお子さんだと勉強に時間がかかってしまうので、なおさら勉強をする気になりません。
その結果として成績が低下することが多いようです。
目次
勉強方法を身に着けるのは小学生が最適
勉強方法を身に着けるなら、小学校最後の1年が最適です。
程よく難しくなってきた勉強内容で、どの子も「わからない」という体験をするはずだからです。
勉強というのは「わからないものをわかるようにする」作業です。
誰でもわかってしまう内容のもので「勉強しなさい」というのは子供には苦痛です。
できの良い子でも「あれ?」という体験をすることがある小学校6年生のうちに、正しい「勉強とは」を理解しておくことは今後の武器になります。
勉強方法って何?
勉強方法とは、「少ない労力でその子にとって一番良い結果を出せる」方法です。
そのお子さんのタイプによって違いますが、Aくんにとって無駄の多い学習法がBくんにとっては最良の方法だったりすることもあります。
逆にAくんにとって最良の方法が、Bくんにとっては最悪の効率の悪い勉強法だったりするのです。
ここでいう「勉強方法」とは、お子さんのタイプに合った、一番効率が良く負担の少ない方法だと定義したいと思います。
勉強は「わからないことをわかる」ためにやるものです。
好きな科目があるお子さんは、好きな科目を勉強するときにちっとも苦痛に感じていないはずです。
問題になるのは、嫌いな科目において、わからないことをわかるようにするときのことです。
わからないことをわかるようにする経験を繰り返していくうちに、嫌いな科目がどんどん好きになっていくのはよくあることですが、最初のとっかかりで失敗すると嫌いな時期が長く続いてしまいます。
勉強方法とは、お子さんの数だけあります。
お子さんはどのようなタイプなのかをざっくり知るだけでも、どのような勉強方法がよいか当たりをつけることができます。
勉強ができないのではない
よく「勉強ができなくて」と相談に来る保護者の方がいらっしゃいます。
話をよくよく聞くと、その子のタイプに合っていない勉強方法を強制し、もちろん結果もうまく出ずに勉強が嫌いになってしまったという悪循環に陥っている方が多いようです。
お子さんは、本当に勉強ができないのでしょうか?
私には、適切な勉強方法を知らないがゆえの不幸に思えて仕方がありません。
私は子供が3人いますが、3人ともそれぞれ向いている勉強方法は違います。
私自身に適していた勉強方法がはまる子もいませんでした。
親と子でも、向いている勉強方法はずいぶん違うものです。
勉強ができないとおっしゃる方は、塾のやり方をそのままお子さんに当てはめているか、自分が昔やってうまくいった方法をそのままお子さんに当てはめていることが多いように見受けます。
お子さんは勉強ができないのではありません。
もちろん、勉強ができない(空間認知ができない、図形をとらえることができないなどの学習障害的なもの)というお子さんはいると思います。
ですが、その子に向いた勉強方法をとることによって多少なりとも改善がみられるのであれば、その子のタイプをもう一度考えてみてもよいのではないか?と思います。
なにせ、世の中には「勉強しない方が勉強ができる」というタイプのお子さんもいるのですから。
勉強方法を知らない大人も多い
「漢字は書けば覚える」「九九を暗唱すれば算数は大丈夫」と思ってはいませんか?
もしこう思っているとすると、あなたがお子さんに「~しなさい」と言っている勉強方法は失敗の可能性があります。
親世代の方は、自分の体験で「うまくいく」「うまくいかない」を判断します。
そして、今の親世代が小さかったころというのは、部活では水を飲むなと言われ、根性を鍛えるのはうさぎとびと言われた世代ではないでしょうか。
今、それらの練習方法は否定されています。大変非効率的だからです。
非効率な練習は部活だけにとどまらず、学習方面でも「書けば覚える」「20回書いて覚えられなければ30回書く」という勉強方法が蔓延した時代でもありました。
実は、書いても書いても漢字を覚えられない子もいます。
ですが、小さな字で漢字を書いて覚えられない子はA4の紙にマジックで大きくゆっくり一度書くだけで、覚えてしまう子もいるのです。
手を動かさずに頭と目と体でゆっくりと字の形を空に書くだけで覚えてしまう子もいます。
かかる時間は2分ほどです。
そして、これらの方法では一切覚えられず、ひたすらノートに書いて覚えていく子もいます。
どれが優れているとか良いとか、そういう問題ではありません。
その子が覚えられるのが一番良い勉強方法だからです。
親御さんが「勉強=苦行」ととらえているとしたら、「そんなの勉強じゃないわ!」と怒り出すような学習方法がお子さんには向いているのかもしれません。
それでもちゃんと覚えられ、テストでは解答できるのです。
勉強は苦行であってはなりません。
もし、お子さんが自分のすすめる勉強方法でつまづきが治らないようだったら、勉強方法が本当にその子に向いているのかどうか考えなおしてみるとよいと思います。
最初から塾はすすめない
塾は「勉強方法を試行錯誤する」チャンスを奪う
塾はドーピングに似ています。最適の解法を最大の人数に適したテクニックで教えていくため、自分のタイプを知らなくても点数は取れるようになるからです。
いわゆる「解法を教える」役割が、塾です。
その時はよいのですが、長い目で見るのならば、一度は自分に向いている勉強方法を良く考えてみる時間をとる方が良いかなと私は思います。
勉強ができないから、塾へ行こう。と思う前に、いったん家で自宅学習をしてみてください。
そのうえで、どうしてもだめだと思ったら塾へ行けばよいのです。
塾は解法を教える場所であって、勉強方法を教える場所ではありません。
自分の弱点を知るために
お子さんが弱い分野って何でしょうか。
長く考えることが苦手でしょうか。
手を動かすことが苦手でしょうか。
音読はどのくらいできるのでしょうか。
パソコンやスマホでものを調べる習慣はありますか?
お子さんの弱点も、強い点も、すべて毎日の生活の中にあります。
長く考えることが苦手でも、手を動かすことが苦手でも、音読が苦手でもどの科目ができなくても、悲観することは何もありません。
むしろ、弱点をはっきりつかんでいくことがこの後の勉強にとって大切なことになるのです。
弱点を克服することを喜ぶタイプですか?
弱点を避けて歩いて行った方が順調に進めるタイプですか?
それを把握しながら進めていける最後の学年が小学校6年生なのです。
小学校の通知表に何がついても、その後の人生は痛くもかゆくもありません。
中学校の通知表で痛い点が付く場合は、高校進学に差し障る可能性があります。
ぜひ、部活もまだなく、時間に余裕がある小学校6年生のうちにお子さんに合った勉強方法を考えてみてください。
「勉強ができる」って結局何か
勉強ができることは、わからないことがわかるようになることです。
その速度が速い子を「天才」と私たちは言います。
遅い子でも、きっちり習得できる子は「秀才」と呼ばれます。
わからないことをわかるようになるためには、プロセスがいくつか必要になります。
- その知識を「覚えている」こと。
- 覚えた知識を「使える」こと。
- 使える知識を組み合わせて「応用できる」こと。
この3つです。
最初のプロセスとして・その知識を「覚えている」ことというのがあります。
社会や理科、国語における漢字や英語における英単語などはこの第1段階だけで点数が取れる問題が随分あります。
数学や理科の応用、社会でも文章題のようになってくると、2番目の・覚えた知識を「使える」こと。が必要になります。
受験などで難関校を受けようと思うと、
- 使える知識を組み合わせて「応用できる」こと。
が大切になってきます。
ここではまず、すべての基本になる1番目のその知識を「覚えている」こと。について説明します。
勉強の肝は「回数×インパクト」
記憶することについては、法則があります。
回数×インパクトが一定量になれば必ず記憶することができます。
インパクトとは、そのものがお子さんに与える衝撃や感激のことです。
「双葉が出る芽と出ない芽があります(双子葉と単子葉)」という事実を見たときに、お子さんの心が「あ、そうなんだ!だから朝顔の芽とチューリップの芽は違うのか!」という強いインパクトを受ければ、強いインパクト×1回でお子さんはその事実を記憶するでしょう。
ただ、同じ話を聞いてなんとも思わないお子さんだったら、それは何度も何度も読んだり書いたり聞いたりして覚えないと覚えられないでしょう。
弱いインパクト×たくさんの回数でようやく記憶することができるのです。
お子さんのインパクトは強いですか、弱いですか?
どんな分野に強いと弱いが分かれていますか?
それによって、随分勉強に関するアプローチが違ってきます。
インパクトが強い子
このタイプのお子さんは単純作業が苦手で不得意です。
漢字をいくらたくさん書いても覚えない子のタイプです。
強い衝撃で知識を受け取ることができるため、授業内だけで勉強を覚えてくることが可能です。
インパクトが強いお子さんは理解が早いために、基礎をしっかり理解することができておらず、ニュアンスだけでなんとかテストを解いてこられた、という子が多いです。
なので、中学3年生あたりになってからようやく英語や数学につまづくこともよくあります。
基礎ができていないことに本人も周りも気づかないため、ある日急にできない自分に気づきます。
インパクトを強く受け取ることができるのは、それだけで長所です。
ですが、基礎をしっかりと組み立てられないと難しくなった時の伸びが少ないため、最初に「何のためにこの勉強をするのか」、数学だったら「この分野がわかると何の役に立つのか」という大枠を教えてあげるとよいようです。
インパクトが弱い子
インパクトが弱い子は、回数で補うしかありません。
また、インパクトを強くするためのつながりを強化するという方法もあります。
強いインパクトを与えてあげるのです。勉強は視覚から入ってくるのが主ですが、視覚だけでなく聴覚、口を動かす感触、触覚などすべての五感を使います(味覚は使えませんが)。
鉛筆で書いて覚えられないのなら、マジックを使います。
マジックで覚えられなかったら、チョークで黒板めいっぱいに書きます。
小さい字を書く子なら、手のひらを使って地面に書くこともあります。
こうしてインパクトを大きくすることによって少ない回数で覚えることができます。
インパクトが強くなる努力は、ずっとするわけではありません。
お子さんに「こうすれば覚えられる」という回路ができると、不思議なことにインパクトをわざわざ大きくしなくても、自然に覚えられるようになっていくことです。
脳が「覚える」ということに慣れてくるのかもしれないと思います。
お子さんが与えられるインパクトの強さに着目すると、様々なアプローチができます。
強い子には大枠を教えること。
弱い子にはインパクトを強くする回路を作ること。
これを基盤として、たくさんの勉強方法が生まれてくると思います。
勉強の必要性をどうやって教える?
勉強しなさい、というと必ず出てくるお子さんの疑問が「何のために勉強するの?」ということです。
それに解答できる親御さんとできない親御さんではお子さんの信頼がちょっと変わってきます。
あくまで勉強に関する信頼だけの話ですが、お子さんのタイプ別に整理しておきます。
やりたいことがない子の場合
とにかくやりたいことがない、大人になって何になるかのビジョンもないというお子さんにとっては、勉強は「選択肢を増やすチャンス」です。
勉強ができるから選べない職業はありませんが、勉強ができないと選べない職業はあります。
将来大きくなってからなりたい職業が見つかった場合、選べないよりも選べた方が良いはずです。
やりたいことがある子の場合
やりたいことがあって、それに勉強は必要ない!というお子さんの場合も勉強は必要です。
なぜなら、勉強をすることは「やりたいこと」と「やらなくてはならないこと」の両立を学ぶことだからです。
やりたいことをやりながら、やりたくないこともやっていかないとセカンドキャリアの役には立ちません。
特にスポーツ選手を目指すお子さんの場合、スポーツ選手には必ず引退があります。
引退後に成功する人は、スポーツだけをやっていた人よりは自分のためにちゃんと第二の人生を考えて布石を打っていた人が多いです。
このタイプのお子さんにとって、勉強とは知識を増やすことが目的ではありません。
勉強をするということ自体が一種の訓練なのです。
おすすめの通信教育
塾の前に「聞く姿勢」はある?スタディサプリ
塾を選ぶ前に自宅学習をすすめるのは、まず勉強することを自分でやってみて、自分の問題点に自分で気が付くことが大事です。
また、塾は講義を中心に行うところがほとんどです。
講義を実際に「ちゃんと聞く」ことができない場合は、塾に行っても成績は伸びません。
ちゃんと聞けますか?聞く訓練はできていますか?ということを試すのにちょうどよい家庭学習がスタディサプリだと思います。
お試しには安価な金額で、良質の講義がたくさんあります。
インパクトが強い子がもっと高度な授業を受けることもできますし、インパクトの弱い子が回数を重ねることもできます。
その子に合った勉強方法を選ぶことができるので、スタディサプリは塾を考える前の手段として最適と言えるのではないでしょうか。