中学受験に成功する子、失敗する子の違いとは?
中学受験に成功する子と失敗する子の違いはあるのでしょうか?
ここでは、自分の今の学力よりも上のレベルの中学校を目指すお子さんについてお話します。
合格しやすい子、不合格になりやすい子がいる?
誤解を恐れずに言います。
中学受験に合格するのに、子どものタイプはあまり関係ありません。
ですが、親のタイプは非常に関係あります。
中学受験と高校受験の大きな違い。それは、親と子の距離の近さです。
一人で頑張れる高校入試とは違い、すべてにおいて中学受験では親のサポートが必要になります。
一緒に勉強することも必要になるでしょうし、勉強の間見ていてあげることはもちろん、塾の送り迎え、お弁当など、文字通りお子さんと一心同体になって頑張らねばなりません。
お子さんはまだ小学生。
「辛くても頑張る」ということの意味を分かっているお子さんはそうそういません。
中学受験と高校受験、モチベーションを保つのには歴然とした差があります。
それは「行くところがあるかないか」というところです。
中学受験は、失敗したとしても行くところがあります。
高校受験は、失敗したとしたら行くところがありません。中学浪人になります。
そのプレッシャーがお子さんを机に向かわせ、進路を本気で考えさせます。
これを踏まえて、中学受験がうまくいく子、行かない子を整理すると、こんな感じになります。
中学受験がうまくいく子、いかない子
中学受験がうまくいく子は、大きく見て2つの要素があります。
- 動機がある子
- モチベーションが保てる子
です。
動機がある子
どうしてもその私立中学に行きたい。という自発的な動機がある子はうまくいきます。
中学受験は親主導で始めることが多いので、おそらく9割近いお子さんが「親に勧められたから、その中学を受けようと思った」と答えます。
「お母さんがいいって言ったから」「お父さんが中学を受験しておくといいって言ったから」など、志望動機が後付けの場合が多いのです。
遊びたい盛りの小学生において、私立中学、しかも難関校を受けようということになると、遊びの時間のほぼすべてを勉強に割かない中学受験は苦痛のほか何者でもありません。
動機が後付けになった子は、つらいときにくじけやすいです。
ですが、先に述べたように中学受験は親の手腕によるところが多いので、このような子でもうまく合格に導くことはできます。
モチベーションが保てる子
なんのために私立中学を受験するのか?という根本のところが揺らいでしまうと、特にスランプの時期に厳しいものがあります。
こんな時に助けてくれるのが「モチベーション」ですが、強いモチベーションとしてはこういうものがありました。
「絶対に地区の公立中学に行きたくない」
「あの子たちと同じ中学に行くなんて嫌だ」
荒れている小学校の子に多いのですが、自分から強く「学区の中学校に進学したくない!」という悲壮な決意をもって中学受験に踏み切る子がいます。
このモチベーションはすごく強い力になります。逆に、
「小学校が楽しすぎる」
「あの子たちと一緒に中学校でも過ごしたい」
こう思っているとすると、モチベーションを保つことは困難です。
中学受験には必ず「公立中学」という受け皿があります。
その受け皿が楽しそうとなると、「なんでこんな思いをして勉強しなくちゃいけないの?」という思いがお子さんの胸にわいてきてしまいます。
中学受験をしないと明るい未来がない、というわけではありません。
中学受験をしたからと言って将来の幸せにつながるわけではありません。
それを踏まえて、今の学校生活で十分楽しそうな場合は中学受験という選択肢をしない、というのもおすすめです。
受験がうまくいくかどうかは、親?
自分の今の学力より上の中学校を受けようとする場合は、中学受験は親と子が一体にならないとうまくいきません。
動機やモチベーションは、「うまくいかないとき」に障害になるものなので、上で述べたことは実は些末なことでしかないのです。
特に難関校への中学受験は、安易に足を踏み入れてはなりません。
どうしてもお子さんを私立中学に入れたいという固い決意と、なぜそうしたいのかという理由、そして塾や受験、学校に支払うお金の総額を必ずよく考えてからのぞんでください。
お金の問題は意外に大事です。
お子さんの多くは「受験をして嫌だったこと」に、「お金がかかりすぎるといわれた」「夏期講習や特別補講の申し込みをしてくれと頼むたびにため息をつかれた」ということが嫌だったと答えます。
受験をするためにいくらかかるのか。
月いくらまでなら出せるのかという線を明確に引いておかないと、そもそも入る塾を間違います。
また、入った後のほうが本番なので、入学後に潤沢に資金を回せるかも大切になってきます。
お子さんのためだから財布のひもも緩みがちですし、多少の無理ならしてしまいますが、無理をしている場合は親も子も続きません。
自分の出せる範囲内で最上のものを選ぶことが大事なのであって、値段が高いからよいもの、安いから悪いものとは限りません。
下手をすると、受験に失敗するばかりか親子の間に深い亀裂を入れることにつながりかねません。
ぜひ、十分に心の準備をして中学受験に臨んでください。