中学生が勉強を好きになる方法【勉強する気にさせたい】
ここでは、中学生が勉強を好きになるためにできる保護者の働きかけについてお話します。
中学生自身が「勉強を好きになりたいな」と思ったときには違うアプローチがあります。
保護者の方にできる働きかけに限ってまとめました。
目次
好きってそもそもどういうこと?
ここを読んでいるのは、勉強好きなお子さんの保護者の方ではないですよね。
勉強好きな子は、自分がどうして勉強しているのか、かえって答えられません。
勉強しているという意識すらないのが普通だからです。
ただ「面白い」「楽しい」と思っていると、わからないところさえ娯楽なのです。
わからないことが分かるようになるのは大変気持ちの良いことだからです。
ですが、勉強がもともと嫌いなお子さんに勉強を好きにならせようと思うとちょっと難しいのです。
人を動かすのは自分が動くより難しいことです。
それでも、保護者の方のアプローチで勉強が好きになる方法はあります。
アプローチをするという意識を持ちましょう。
これからのことは、すべて保護者の方が「意図的に行える」ことです。
すべてのお子さんにはエネルギーがありますので、そのエネルギーが勉強に向けて自然発火することはあります。
ですが、意図的な仕掛けを行わないとなかなか勉強に向かっては火が付きません。
家の手伝いに明け暮れて勉強や学校が子どもの娯楽だった昭和初期からは比べ物にならないほど子どもの娯楽は増えているからです。
子どもが勉強を好きになれるように、「好き」というベクトルが働くのはどんな時か整理してみます。
勉強を好きになる場合は3つあります。
- 他の人よりも秀でているということが自分で実感できる場合。
- その教科に興味が持てる場合。
- その教科を教えている先生に興味が持てる場合。
この3つのうちのどれかが起きたとき、お子さんの中に勉強をしようかな、これ意外と好きかもしれない、という気付きが生まれるのです。
1.できるから好きになる
できないものは大人も嫌い
できないものに向き合うのは苦痛です。楽なことではありません。
それはお子さんだけでなく、大人でも同じことではないでしょうか。
苦手な人と向き合い続ける、苦手なものに対面し続けることはエネルギーを奪っていきます。
それは「できない」ということに様々なコンプレックスや葛藤が生まれるからです。
コンプレックスや葛藤を処理しなければならない苦痛は親も子も同じです。
お子さんが勉強に興味を持たず、むしろ嫌いなのだとしたら、それはできないからです。
数学のテストで100点を取れる子で「数学が嫌い」という子に会ったことはありません。
英語でも、社会でも同様です。
では、できないものはできるようになれば良いのです。
が、ここでかなりの保護者の方が間違います。
できないものをできるようになるために、昭和式の詰め込み教育や、「単語は100回書いて覚えなさい」という力技を使いたくなりませんか?
教育者ではない大人が子どもに勉強を教えるときの大きなボタンの掛け違いはここだと思います。
詰め込み教育や力技、挙句の果てには「とりあえず2時間机の前に座りなさい」というアドバイスをする保護者の方にもお会いしたことがあります。
とりあえず2時間机の前に座ることは、勉強自体に興味関心を持ち、知識を増やすこととは全く関係がありません。
それは禅と同じです。
ただ座らせている、ただ書かせるという作業のとき、子どもの意識は自分の内側に向きますから、自分の外側から知識を得ようという思考回路は生まれません。
保護者の方がやらなければならないのは、ごり押しの勉強ではありません。
できないものが「できる」ようになる瞬間をたくさん用意することです。
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「できる」という感覚が大事
「できる」ってそもそもどういうことでしょうか。これはお子さんによって違います。
できるという感覚は、何かを達成したときに生まれますが、どこが達成点なのかはお子さんによって大きく違うのです。
まず、お子さんをよく観察してください。どんな時にお子さんは「できた」と感じるのでしょうか?
いつ「できる」と感じるのか?
多くのお子さんが「できる」と感じるときは3パターンあります。
友達との話の中で「自分のほうがたくさんの知識を持っている、優れている」と感じられるときに「できる」と感じるお子さんが多いようです。
何人かのお子さんが集まってゲームの話をしているとします。
その中にはほんの15分ほどでヒエラルキー(階級)が出来上がります。
ヒエラルキーはそのお子さんの持っているゲームに対する知識量、どれだけやりこんでいるかなどによって変わります。
人間は社会的な動物なので、どんなに幼くてもヒエラルキーについてはかなり敏感です。
そんなに知識を持っていない子が、知識があるようなことをいえば「知ったかぶり」と軽蔑されます。
逆に、普段地味で目立たない子でも、たくさんゲームを知っている、持っている、やりこんでいるということになると尊敬のまなざしで見られ、「神」などと言われたりします。
ですから、お子さんに勉強を「できる」と感じてほしい、と思ったときには、何かの教科のどこかの分野で、普通の中学生以上の知識を持たせてしまえばよいのです。
全般的に知識を持たせる必要はありません。欲張ると失敗します。
お子さんにできるようになってほしいと思う教科の、これから学校でやる分野において少しだけほかの子よりも余分な知識を蓄えておくこと。
それが回りの尊敬のまなざしとお子さんの自信につながります。
これは点数として本人にも周りにもわかりやすいので良い方法です。
が、上記の知識に比べて少し時間がかかります。
お子さんは学校でやったテスト(定期テスト、ミニテスト問わず)を親に見せてくれますか?
できたらミニテスト、小テストなどのほうがすぐに成果が出やすいのでおすすめです。
見せてくれないようなら、何度も言って見せてもらいましょう。
どんな点数が出てきても怒ってはいけません。
勉強ができないのは心配することであっても、怒るようなことではありません。
答案用紙を見せてくれなかったら、問題用紙だけを見せてもらいましょう。
「どんな問題やってるの?」と言えば、テストそのものは見せてくれなくても問題用紙は見せてくれるかもしれません。
そこでお子さんの分からない部分、間違っている部分などをざっと把握します。
英語の単語テストが一番とっつきやすいと思いますが、間違っているところを把握し、次のテストの日を確認し、一緒にやってみるのがおすすめです。
問題はお子さんに予想させましょう。
お互いに予想して、当たったほうが多いほうが勝ち、などのゲーム要素を持ち込んでも楽しいです。
授業には必ず「当てられる」という時間があります。
先生の質問に対して答えなければなりません。
中学生になると挙手をする子は小学校よりも減りますので、先生もランダムや列ごとに自動的に当たるシステムを取る人が多いと思います。
お子さんにとっては、自分のわかるわからないにかかわらず、いやおうなく質問に答えなければならない時間になります。
ここで答えられなかったり、間違えたりするのはお子さんにとってプライドが傷つくことです。
これが積み重なるとその科目を嫌いになります。
この時間帯をクリアできるのは予習以外にはありません。
中学というと復習が大切、と言われるかと思います。
でもそれは、ちゃんと授業に取り組める子限定です。
一度授業からこぼれてしまった子、一度その教科を嫌いになってしまった子に有効なのは復習ではなく予習です。
予習こそが授業で余裕のある態度を撮らせてくれる宝刀になるのです。
2.生活の中で先取りの知識を与えよう
勉強が嫌いな子には予習こそが大事。
ですが、教科書を開いて予習ができるような子なら勉強は嫌いになりません。
なので、遠回りではありますが遠くのほうからアプローチできることがこれです。
将来を話題にする
将来についての選択肢や高校についての情報などを知っている子は尊敬されます。
みんなが進学に対して漠然とした不安を抱いている中学2年生くらいならこの手の情報は有効です。
内申書についての情報など、先輩保護者の方から仕入れた情報をお子さんとシェアするとよいでしょう。
「だからどこの高校に行きなさい」などのプレッシャーは与えてはいけません。
あくまで事実として、「〇〇くんは内申点が〇点で〇〇高校に受かったらしいよ」とか、「〇〇くんは警察官になりたいから〇高校へ行ったけど、あの学校は公務員への就職率が高いんですって。いい先生がいるのかもね」ということは保護者同士の口コミで手に入るかと思います。
できるだけ具体的な情報がカギです。
また、将来のことに対して話し合う時間を持てば、お子さんの将来の展望も聞くことができるかもしれません。
お子さんは圧倒的に知識が足りないので、偏ったことも言うと思います。
ですが、そこでたしなめたりせずにリスペクトして聞いてあげるのが良い方法だと思います。
親が自分に何かを強制しようとしていると感じたら、二度とお子さんは親に進路の話をしようと思いません。
あくまで1人の意見を聞く姿勢を貫いてください。
間違いにはきっとお子さんはあとで自分で気づきます。
経済を話題にする
経済の話題もおすすめです。
経済は中学では「公民」というくくりで3年生の時に学習しますが、需要と供給、円高円安などのあたりで躓く子は多いのです。
速攻性はありませんが、高度経済成長あたりのことを話題にできれば昭和後半からの経済史を抑えられることになります。
また、現在の政治や経済について語ることができたり、人の名前などを知っていたらニュースの話題などを話すことも説明することもできるもの。
時事を話題にする社会科の教員は多いので、社会の時間に活躍できる可能性も広がります。
小学生では勉強に興味がなくて、中学生になったら急に興味が出てきた、というお子さんは圧倒的に父親と現代社会についての話をしているお子さんです。
時事ネタは話題の宝庫です。
一緒にニュースを見ることや、親御さんが見たニュースを話題にするところから始めてもいいので、ぜひ「今、旬」な話題を会話の中に取り入れてみてください。
自然現象を話題にする
社会と同じく、理科もこの方法がとれます。
自然現象から生物や地学の知識を取り入れることができますが、この方面の知識が豊富な親御さんでないとちょっと厳しいかもしれません。
ニュースの天文トピックスのようなものを話題にするのもよいですし、地震や台風などの災害について話題にするのもよいようです。
講義型の家庭学習もおすすめ
でもこれでは、国語や数学、英語など多くの分野は網羅できません。
勉強というものに対するとっかかりの部分としては親子で話をするというのが最適なのですが、もっと手っ取り早く授業で結果を出したいときには講義型の家庭学習がおすすめです。
タブレットやパソコンで見られる講義を収録した家庭学習で、しかも授業の先取りができるものが良いです。
勉強が嫌いな子はだいたい授業が理解できません。
一度家で先取りしておいて、もう一度授業で聞いたら分かることが増えると思います。
また、こういったサテライトのような講義では、大学受験を教えるような塾講師が講師になっていることがほとんどです。
学校の先生は全員が教え方が上手というわけではありません。
中には、人に教えるのは好きだけれどあまり得意ではないという方もいらっしゃるでしょう。
授業を教えるのには向いているけれども、点数に結びつかない授業をするベテランの先生もいらっしゃいます。
受験のプロは、いわば点を取らせるプロです。
要点をしっかりつかみ、余談もない短時間の授業で明日の授業を先取りしたら、きっとお子さんも余裕をもって授業を受けられるかもしれません。
タブレットやPC、スマホで中学の授業がマスターできる通信講座もあります。
ドラゴン桜2でも話題になったぐらい有名です。
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3.先生の話をする
好きな先生の教科はがんばり、嫌いな先生の教科は怠ける…お子さんはこんなタイプではありませんか?
先生にかかわらずその教科が好き、というお子さんにはこの心配はありません。
が、授業に興味を持てないお子さんが何に興味を持つかというと、それは「好きな先生」です。
教え方がおもしろい、声がいい、人柄が好き…どのようなアプローチでもいいのですが、先生に興味を持つとその教科を一緒に好きになるお子さんは多いです。
ただ学校で見せている姿だけでは教員の好き嫌いはわからないかもしれません。
保護者会や面談などで仕入れたネタを子どもと共有することによって、先生への親近感を増させるというのもよい方法です。
嫌いな先生だとしたら、「今日〇〇先生はどうだった?」という会話を入り口にしてときどきその先生のことを話題にするとよいでしょう。
先生を親子がどれだけ身近に感じられるかどうかで決まってくるものもありそうです。
どうしても好きになれない先生だったら、そこは潔くあきらめましょう。
来年になれば教科担任も変わります。また新しい出会いがあるかもしれません。
学校がもし共感できない先生だらけだったら、塾に「好きになれる教員」を求めてもよいと思います。
すべての先生の悪口を言う子はいない
共感できない先生だらけだとしても、例えば副校長先生はちょっと面白いと思っているとか、習ったことがなくても化学の先生はマッドサイエンティストみたいで面白いなどと思っているものです。
担任の先生とウマが合わなくても、教科担任と話が合わなくても、すべての先生を悪くとらえるお子さんにはあったことがありません。
それどころか、お子さんは面白い出会いをいつも求めていると考えたほうが良いでしょう。
それは人間とだけでなく、勉強ともそうです。
面白いと思えばどんどん自分からのめりこんでいきます。
ただ、一つだけ注意を。
スマホやゲームで一日のうちに時間を使いすぎていると思ったら、思い切って取り上げましょう。
スマホやゲームの快楽は、勉強よりも安易で大きいので、どんどんそちらに流されます。
それで暴発する、いわゆる「キレる」ような状態だったら、お子さんはスマホの依存症になっている可能性もあります。
そうなると素人には荷が重いので、早めに専門家に相談したほうが良いです。
時間は有限です。
そして、勉強が好きになってほしいと思うなら、好きになるまでの間だけでも良いので安易な快楽は遠ざけましょう。
しかし、スマホの場合は勉強できるスタディサプリという優秀な講座もあります。
こちらを勉強するという約束で、スマホを渡すのも良いですね。
復習より「先取り」、いろいろなことに興味が持てるお子さんになるよう応援しています!